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【限定解除!?】13.一緒に、いてください
「ちょ、美咲さ……っ!!」
食事と片付けを終え、柳が帰った途端に、哉有は壁に追い詰められていた。
「ごめんな」
「何、が……」
する、と顎を引かれ、唇が重なった。
ぎゅ、と抱きしめられ、身動きが取れないまま。
「何度も何度も嫌な思いさせて、ごめん」
「美咲さ」
「お前以外とのこれからなんて、絶対に考えられなくて」
「美咲さ、んっ」
「何がなんでも認めさせたくて」
「……っく、るし……っ」
息ができないくらいに抱きしめられ、哉有が細く呻くと、ほんの少しだけ都和の腕の力が緩んだ。
「俺が、弱くて、……焦っちまった。ごめん」
ぐ。
僅かに震える都和の顔が、哉有の首すじに触れた。
「美咲、さん?」
「順番が狂った」
声も僅かに震えて。
「何で親が先なんだよ。……でも。もう、何も心配しなくていい。絶対に。こんな思いはさせないから。……俺の」
ぎゅ。
結局、緩んだ力はそれ以上の強さになって哉有の身体を締め付けた。
「俺の、そばにいて」
哉有の眼が見開かれて。
「ずっと」
「……美咲さ」
「違う。……選択肢なんてやらない」
「……ん!」
「ここにいろ」
きつく抱きしめられすぎて、息が、できない。
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