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「無い。食いたいと思ったこともないけど、こないだ哉有、一人の時に食ってただろ。思い出した」
なんて都和が言い出し、立ち寄ったファストフード店。
(どういう学生生活送ってたんだろう……)
と半笑いになった哉有を引っ張った都和は、ランチセットを二つ、あれこれサブメニューを追加して買い求めると、派手な紙袋を手に「それ持ってそれに乗る!?」といういつもの高級外車に乗り込んだ。
「見晴らしのいい所……海と川と山。どこがいい?」
エンジンをかけつつ聞いた都和は、
「海!」
嬉しそうに返ってきた返事に微笑して頷いた。
「ん」
天気は最高、初夏に近い空の色。海にはサーブボードを持った男女が多くいて、
「楽しそう」
「やったことない?」
「スノーボードとサップぐらい?サーフィンは、やったことない」
「じゃ、今年の夏休みは、プライベートビーチでサーフィン合宿な。天笠や幅野も呼んでやれ」
哉有、眼が、点。
プライベートビーチ?サーフィン合宿?
日本か、そこーー???
外に出て、バーガーをかじりながら海を眺めてポテトをつまみ。
「……うまいな」
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