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「うん」
「……優しい」
「……いつもだろ」
うん、と哉有は真っ直ぐに都和を見上げ、
「そうですけど。いつもと……何か」
どくん。
「？変な顔してるか？」
「……気のせい？」
「だろ」
ポーカーフェイスは苦手じゃない。
今日だって完璧なはずなのに。
どうやら、哉有には都和のそれは通用しないらしい。
何も言わなくてもわかってもらえるなんて、
本当は一番嬉しいことなのに。
くそ、と都和が胸の中で毒づいた。
……お前は。
こんな時に。
俺の心ん中、見透かすんじゃねえよ。
そっと身体を屈め、言われた通りに横になったままの華奢な身体を抱きしめた。
「びっくりさせんな」
「美咲さん？」
「……お前、そろそろ」
「はい？」
「名前で呼べよ。俺のこと」
「…………」
「……何で無言？」
「…………」
「ずるいだろ」
「………。……」
「何だよ」
「……恥ずかしい」
「アホか、いまさら」
都和の肩口にある小さな顔が、一気に熱くなった。くす、と都和は笑い、
「イくとき限定かよ」
「……！！」
くく。
哉有をはぐらかすのは、これが一番。
「もう！！」
茹だった番を抱きしめる都和の腕に、少しだけ力がこもった。
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