【期間限定で!】9.「男なんで」

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 柔らかな都和の唇の端からそっと白い胡麻を取ると、ペロリと指先を舐められ、哉有はすくみ上がって赤い顔で都和を睨んだ。  都和はしれっと哉有を見、 「今日は気をつけて行ってこい。襲われそうになったら遠慮なくさっさと逃げろよ」  食器を持って立ち上がった。    どきどきどきどき。   (別に、もっとすごいことしてるんだから、こんなことぐらいでドキドキすることなんてないだろ……って、美咲さんが昨日あんなこと言うから!)  ふと、哉有は食器を洗い始めた都和の顔を眺めた。  でも。  どうでもいい人の唇なんて、触りたくもない。  よな。……普通。  自分の指をそっと見つめ。   「先行くぞ」 「え、あ!今日の夕ごはん」 「子どもじゃねーよ。外で適当に済ませてくる。いいもん食わせてもらってこい」  パタン。  いつも通りの足音で、いつも通りのドアの音。 「行ってらっしゃ、い」    ……もー、最悪。顔が、熱いだろ……。
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