プロローグ

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プロローグ

雷が鳴り、大雨が降る、嵐の中。 三人の“カントル”と呼ばれる者たちが、歌ったり、遊んだり….  はたから見れば実に奇妙であるが、当人たちは何やら愉快そうに雑談している。 「次三人で会うの、いつがいぃ?」 「なんだかんだ忙しいのが片付いて、戦いに負けて、勝ったときだな」 「んじゃ、18時でよろ。」 「どこでー?」 「月の荒野に決まってんだろ」 「あそこでマックスに会うんだね!」 「ほらー、いくよ?」 「おーい。こいつもういっちまうぞ?」 「すぐいく!!」 『きれいはきたない。きたないはきれい。良いは悪い。悪いは良い。』 普段は統率性の無い彼らだが、声をそろえてそう言った。  土砂降りの中、一人、また一人と姿を消し、ひときわ大きな雷が落ち切ったころには、最後の一人も消えていた。
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