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「まあ、高校生で一人暮らし、とかは、ドラマの中だけだよな。現実、よほど親父さんが高給取りじゃないと、家賃問題、光熱費とか大変だしな」
古谷部さんも眉を顰めながら言うと、咲也も頷いてチラッとあたしを見た。
「そうだよね。俺も高校生になる頃、いや…受験あたりからそういうことに気づいたよ。俺一人を養うだけでも大変だと思うのに。母親は慰謝料とか払ってないらしくて」
「え?!浮気したの、おばさんでしょ!!」
茉那も驚いて身を乗り出して言うと、あたしも鼻息を吐き出して頷いた。
「おじさん、偉かったよね。それでも一人で咲也が大学行くまでのお金、残してくれてたらしいし。やりくり上手。で、優しい。元祖チャラ男」
「光莉。フォローしたいなら、フォローだけにしといてくれる?」
咲也はあたしをジロッと見つめて言うと、あたしは「えへへへ?そう?」と言って頭をかいた。
「あとは、転校してきた当初から仲良くしてくれた友達もいて、そこに、ほら、前に東京まで追いかけてきた円加もいて」
「…円加…!あのクソビッチか!」
あたしはチッと舌打ちして唇を噛むと、匡平先輩と古谷部さんは不思議そうにあたしを見つめた。
「舌打ち?」
「クソビッチ??」
そう。円加が咲也を追って福井から来た時は、大変だったんだよね。何度もバトったよね。結局、色んな人とエッチしてたような子。あたしは返り討ちにして、余裕の勝利!とはいえ、その時、まだ付き合ってなかったっけ、あたしと咲也。
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