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「ここ、どこ~~~~~!??」
確か、ここからバスで15分くらいの、なんとかって町に住んでいたはず。いや、そこに向かうんじゃなくて、観光するって話だったんだっけ?
ん?
誰かと会うんだったけ?確か、小学校からずっと一緒だった仲のいい男友達がいたとか。その人と会うんだっけ?
どこで?
あたしはキャリーを小脇に置いて、腕組みして考え込む。と、ふと顔を上げてスマホを取り出した。そうそう。こういう時のためにスマホを……。と思ってスマホの画面を見ると、充電切れ。電池マークが端っこにうっすら赤くなって、間もなく真っ黒に、いや、真っ暗になった。
終わった。
終わってしまった。
頼みの綱が、切れた。
オワタ。ワロタ。いや、笑えない。
そんな時、アイツはいっつも現れる。空気を読めるのか、読めなくて神出鬼没なのかは意味不明。
バイクがあたしの前にスーッと停まって、ソイツはヘルメットを外して、
「光莉!?こんなとこで何やってんの!?咲也たちは??」
といきなり驚いた声を上げて、ニコッと笑っていた。
「マッキー!!!」
「いや、みんなここに帰省するっていうからさ、俺は昨日から祖母のとこに泊まりに来てんだ。で、海沿いを走ろうと思ってたとこ……」
「救世主!!」
思わず嬉しくなってマッキーに飛びつくと、マッキーはまた驚いていたけど、クスクスと含み笑いであたしの頭を優しく叩いた。
彼は槙村圭佑
ニックネームはマッキー。一応イケメン。咲也ほどじゃないけど。
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