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「あ。キャリーあるから後ろに乗せられないか。今日はどこ行く予定だった?」
「そ、それがね」
あたしは頭をかいて「えへへへ」と笑って誤魔化していると、マッキーはバイクから降りてスタンドを立ててバイクに寄りかかりながらあたしの顔を覗き込んできた。
「…まさか、話をちゃんと聞いてなかったなぁ?」
「え、えーとぉぉ」
あたしはまだあちこちに目を逸らして誤魔化したけど、もう限界だ。
「…き、聞いて、なかった、デス」
あたしは素直に言うことにすると、マッキーはヘルメットを抱えたまま「あははは!」と大きな声で笑い出して、あたしは何だか恥ずかしくてムッとしてしまった。
「そ、そんなに笑わなくてもぉ」
「咲也は、ぬかりないやつだから、光莉のスマホのカレンダーにスケジュール入れてるだろ」
「え?…あ。そういえばあたしのスマホ、よくいじってる!それかー!……充電、切れてる…」
あたしは喜んだのも束の間。そう言ってマッキーを見つめると、マッキーは自分のスマホを取り出して耳に当てた。どこかにコールしてる。
「あれ?出ないなぁ」
「は??」
「…誰か、迎えに来させてた?」
「あー。うん。多分。男子の友達に会いにきたようなものだから、その人と多分、待ち合わせてるか、迎えにきてもらってたと思うけど」
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