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ノボルが朗らかに言うと、俺は頷いて「勿論!」と答えて、コンビニの中に振り向いた。光莉がアイスのカップを持って、他にもお菓子か何かを物色中だ。目を離すと、また色々買っちゃうぞ。俺はフッと微笑んで、
「ノボル、免許あるのか?」
と訊ねると、ノボルは「取ったよ」と答えて、
「でも、みんなの命をまとめて面倒見れる自信はないから、車をちゃんと運転してくれる人に頼んだんだ。で、観光するだろ?ホテルの情報は聞いてる。チェックインまで、観光とランチして、のんびり母校にでも行こうぜ。彼女に会いたいなぁ」
と言ってクスクス笑っている。
「本当に、ずっと好きだった光莉ちゃんって子と本当に付き合えるとはねぇ。ビックリ」
「まぁね。すげぇだろ」
俺はちょっと自慢げに言うと、ノボルは「あはは!」と笑い出した。
「で?もう、ヤっちゃった?」
「おい。やめろよ。そういう目で見られたくない」
俺がムッとして言うと、ノボルは口笛を吹いて笑っている。
『じゃ、あとでな?もう一人の方が先に着くかも』
「うん。あ。俺のこと知ってる人?」
『会えばわかるだろ』
「そうなの?」まあ、楽しみにしてる」
そうして通話を終えると、俺はスマホをジャケットのポケットに入れた。そこに古谷部さんが歩み寄ってきて、
「陽菜と、そこの土産屋行ってるね」
と言ってくると、俺は頷いて古谷部さんを見た。
「オッケーっす」
古谷部さんと陽菜が古めかしい土産屋に入ると、そこにワンボックスくらいの大きな車がやってきた。
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