第1章 そうだ。福井に行こう!

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その日は平日だったけど、学校の後咲也とデートしてレストランに食べに行き、その後は綺麗なホテルを予約してくれた。そこで、咲也は誕生日のプレゼントとして、シルバーのペアリングを用意してくれた。 『19歳の誕生日にシルバーリングを贈るとその人は幸せな結婚ができる』 というヨーロッパに伝わるジンクスをネットで見つけて、プレゼントを決めてくれていたらしい。そんなこと、あたしちっとも知らなかった。咲也は、あたしよりもそういうことを調べたり探してくれるから、女子より女子っぽいのかも。プレゼントや記念日とかも大事。付き合って1ヶ月記念日すら、あたしはすっかり忘れて、お母さんが働くカフェでバイトしていた。そこに咲也が飛び込んできて、 「ちょっと、何やってんの?!光莉!!今日のこと、忘れてんの?!」 と言われてしまった。お母さんはカフェのオーナー兼店長でもうすぐ50代になると言うのに、綺麗で天然さんだ。 「あら、咲也くん。え?約束してたの?光莉」 「えー?約束してないよ。今日バイトって知ってたよね?咲也」 とあたしとお母さんが言うと、咲也の笑顔がフリーズして、額に血管が浮かんだ。 「あれ?」 「あら?激おこモード?」 そこから、あたしは咲也に拉致られてしまった。お母さんも「お父さんにはうまく言っておくからね〜〜」と言って送り出してくれたので、そこから記念日のやり直しだった。 そんな感じで、記念日には疎いあたしはクリスマスもバイトを入れようと思ったくらいだ。
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