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咲也はそんなあたしのことをいつも考えてくれて、何より優先してくれて、誰よりも愛してくれる。
そういうところが、たまらなく大好きなんだ。
そうして、あたしの誕生日にプレゼントされたシルバーの指環。高級な石やダイヤモンドなんてついていないけど、花の模様が拵えてあって、凄くおしゃれで綺麗だ。指輪なんてしたことはあまりない。よく見ると、内側にイニシャルが刻まれてある。しかも、咲也も同じ指輪をする、と言い出した。
「え?じゃ、これって、ペアリング?」
「そう。ペアリング!ただでさえも、大学も違ってすれ違うことも多いんだし。コレくらいしないと、手を出されちゃうだろ?」
咲也はそう言ってあたしに指輪をはめてくれて、あたしも嬉しくて咲也の薬指に指輪をはめた。まるで結婚指輪みたいだ。
「これで、光莉は幸せな結婚ができるはず!俺がきっと、これからも…」
二人で指輪をはめて手を繋ぐと、あたしたちは見つめあって、嬉しくて微笑みあった。
「好きだよ」
「あたしも、大好き」
「ずっと一緒だよ」
「もちろん。離れちゃダメだよ」
あたしと咲也は、どちらからともなく唇を重ねて、そうしてその日は咲也とお泊まりした。だって、こんなに嬉しいんだもん。帰りたくなんか、ない。朝まで抱き合ったって、足りないくらいだよ。
これからもまだまだライバルができたり、邪魔する人も現れるかもしれないけど、あたしたちは絶対離れないって決めている。
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