167人が本棚に入れています
本棚に追加
あたしは、お父さんとお母さんにも負けないラブラブカップルになりたいんだ。側から見ても仲良しすぎて、あたしの前でも普通にチューしてる。お母さんより、お父さんの方がお母さんにべったりなんだ。お母さんより13歳も年上で、仕事は警部なのに、家だとこんなにベタベタだ。
羨ましい…けど、もう少し遠慮してほしいくらいだよ。笑
年頃なので。
すんません。
*
そうして、今に至る。
深夜夜行高速バスで福井県に向かうので、あたしと咲也は並んで手を繋いで寄り添っていた。
「何時に向こうに到着するんだっけ」
咲也が微笑んで言うと、ポケットからあったかいミルクティーのペットポトルを取り出して、「はい」と言って差し出した。
「おおっ。さすが咲也っ」
「だろ?すぐ飲む?」
「飲むっ」
あたしは受け取ったばかりのペットボトルを咲也にまた差し出すと、咲也はクスクス笑ってペットボトルを受け取って蓋を開けてくれた。
「はいよ」
「ありがと」
「うんうん。口移しで飲む?』
「…二人で火傷しちゃうよ」
「仲良い証拠じゃん?」
あたしと咲也は微笑みながらそんな会話をしていると、
「あのー。イチャイチャしたいなら、二人で行けばー?」
と後ろから声をかけられて、あたしたちは振り向いた。あたしたちはまだ並んでなくて、待合室の入り口付近で立っていた。
福井に行くのは、あたしと咲也だけでは、ない。
ここに現れたのは、あたしの幼馴染みの飛田茉那。そして彼氏の青戸匡平センパイだ。
最初のコメントを投稿しよう!