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「あ、待って」
「う?」
「そのままじゃ、寝られないだろ?」
「う???」
咲也はあたしの手からアイマスクを取り上げると、身を乗り出して唇を重ねた。
「ん…っ」
「しっ。声、我慢。気持ちよくてもね」
「ば、…馬鹿…」
咲也は優しく微笑んで、あたしの頬を掌で覆って、キスを繰り返していく。と、舌まで入れて来た。気持ちよくなっちゃうじゃん?それは、ここでは…反則だってば。
「さく…っ」
「シーっ」
あたしが何かを言いたくても、咲也のキスに止められてしまう。こんなところで、そんなヤラシイキスされても困る。
思わず声を我慢して呼吸だけ微かに乱れてしまうと、咲也の右手があたしの服の裾から手を入れて来た。
「「こ、こんなとこでっ。何考えてるのっ」」
メッサ小声で言うと、咲也は微笑んで、
「「だって、隣に光莉がいると思うと…なんか…ねぇ?」」
とあたしに負けず小声で言って、またキスして来た。
ここ、バス!
前にも後ろにも、人ーーー!!!
そう思ってると、服の中に入っている咲也の手が肌を撫でながら上に上がり、ブラジャーに触れた。
そ、それ以上、はっ、…だ、め、でーーーす!!
すると、咲也の手がピタリと止まり、スルスルとあたしの服から手を出してきた。
「う?」
「……やめとく。俺が止まれなくなっちゃうし。こんなとこでお預けヤだし。なにより…みんな聞き耳立ててそうだし」
咲也は小声でそう言ってあたしを見つめると、あたしもホッとして大きく頷いた。
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