10.共犯者は別にいる

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「はい?」  エレベーターのボタンを押しながら由目木が振り返る。 「マキタさん、怪しくないですかね?」 「却下!」 「ええ? だって他に知っている人なんかいませんよ」 「マネージャーは私生活までどっぷり介入するタイプと、ビジネスに徹するタイプに(おおむ)ね別れるけど、彼は後者と思われる」 「会っていない僕にはそんなことまではわかりません」 「前から思っていたけど、キミ、探偵に向いてないね」  エレベーターに乗りこむと同時に1のボタンを押す。 「そりゃわかってます。あっ」  大木は四角い箱の中で天井を見上げ悲痛な声をあげた。
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