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「ど、どうしたの?」
「ああ。僕、初めの日に、会っていました」
「誰に?」
「翼と、中村望に。やっぱり、あの二人がそうだったか」
「やっぱり?」
「僕、翼が初めて事務所に来た日に、この近くで翼と望ちゃんを見かけたんですよ。翼が人違いだって言うからすっかり信じちゃって」
大木はため息をついて「おっしゃる通り、思っていた以上に僕は探偵には向いていないようです」とうなだれた。
「探偵は観察力と推察力と」
「地道な調査です」
大木は口を挟んだ。
「僕は地道な調査の担当に徹します」
「なら、もう少し尾行は上手になってほしいものだわ」
「バレたことはありませんよ」
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