10.共犯者は別にいる

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「人はそう簡単に変われないものね」  洋子はため息をついた。 「宿ことにも気づかないなんて」 「バレるわけないよ」  望は肩をそびやかしてめぐみの消えていったドアを見つめる。 「ヨーコさんのたてた計画は完璧だったよ。ヨーコさんは、バレてほしかったの?」 「いいえ。バレたら、クビになりますから」  洋子は微笑みを浮かべて望の腕の中のチワワに話しかけた。 「シェリーもお疲れだったわね」 「ねえ、どうしてシェリーを連れて行かなくちゃならなかったの?」 「散歩をしたまま、帰って来なかった、という設定にしたから仕方なかったんですよ。だって他にどうしようもなかったじゃないですか。学校も習い事も全部、車で送り迎えなんですもの」
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