1.探偵は占い師にあらず

11/14

14人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
「ふうん。きれいな名前だね。夢がかないそう」 「そうかな」 「夢が、咲く感じがする」 「なるほど。そんなすごい名前だとは今まで気づかなかった」 「マジで?」 「マジで」 「で、キミの名前は?」 「なかむらのぞみ」 「ふーん、どういう字?」 「中村、はふつうの中村で、希望の望、でのぞみ」  普通の中村ってなんだ、と由目木は吹き出しそうになる。  そんなにつまらなそうに言わなくてもいい名前だよ。 「キミだって(のぞみ)がかなえられそうな名前じゃない?」 「そうかな」 「良い名前だ」  由目木は特上(とくじょう)の微笑みを浮かべてにっこりとした。
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加