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お腹はいっぱい、程よく酔いが回った目に夜空に浮かんだ月が滲む。
夜空と月の組み合わせはいつだって人をしみじみさせる。
「あたしたち、今、最高に焼肉臭いね」
へらへら笑う由目木に大木は脱力した。
全くこの人は。
ロマンも色気もありゃしない。
「何、笑ってるの」
「なんでもありません」
「なんでもないのに笑えるの? 変な人!」
あなたほど変じゃありません、言い返しながら大木は思う。
いつまでもこの平和な日が続きますように。
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