10.共犯者は別にいる

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 お腹はいっぱい、程よく酔いが回った目に夜空に浮かんだ月が滲む。  夜空と月の組み合わせはいつだって人をしみじみさせる。 「あたしたち、今、最高に焼肉臭いね」  へらへら笑う由目木に大木は脱力した。  全くこの人は。  ロマンも色気もありゃしない。 「何、笑ってるの」 「なんでもありません」 「なんでもないのに笑えるの? 変な人!」  あなたほど変じゃありません、言い返しながら大木は思う。  いつまでもこの平和な日が続きますように。
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