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2.生意気な依頼人
「買い物から戻りました」
グレーの地味なスーツ姿でのしのし入ってきた大木は、机ではなくソファーに座っている由目木を見て首を傾げた。
「あれ、お客様……?」
戸惑いながら由目木の向かい側のソファに座っている望とチワワを見て「子供? と犬?」と頭に手をやった。
「客が来ないからって、ついに子供や犬を預かるようになったんですか……」
大木はゴミ袋やインスタントコーヒーをレジ袋から出しながら「それならそうと言ってくれれば、ジュースの一本も買ってきたのに」とぼやいた。
「ちょうどよかった。大木君、後でいいからこれ、配ってきて」
「何ですか、これ」
渡されたプリントアウトされた紙を見て眉をしかめた。
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