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「お気軽にご相談ください。人探し、迷い犬、迷い猫、実績あり。由目木探偵事務所。ご安心ください。秘密は厳守いたします。……何ですか、これ」
「ん? 見たらわかるでしょう? チラシ広告」
「チラシ広告? それならもっとちゃんと作らないと。経費削減のために自前で作るとしても、もう少し目立つような工夫をしてですね……」
「オーケー、じゃ、この件はキミに任せた。よろしく」
「よろしく、って……」
大木は肩を落とした。
「人使いが荒い……というか何でこのタイミングなんです?」
「それが望くんの依頼だから」
赤い唇がにいっと横に引っ張られ白い歯がこぼれた。
「望くん?」
大木はちんまりとソファに収まっている子供と犬を見た。
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