2.生意気な依頼人

5/7

14人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
「知らない」  大木は望をもう一度見た。  さっきの子供は、学校の制服のようなものを着ていた。  だが、目の前にいる望は黒いTシャツにグレーのハーフパンツをはいている。  服装からして違うじゃないか。 「同じような年頃の子はみんないっしょに見えちゃってね。アイドルグループのメンバーも区別がつかないし」  大木は頭に手をやりながら誤魔化(ごまか)した。 「あーわかるわあ。似たようなグループがたくさんあってなにがなんやら全然わからないのは、なんでかしらね」 「あなたたち、本当に探偵事務所の人?」  望は完全に失望した様子だ。 「……そんなんじゃ、仕事に支障(ししょう)があるんじゃないの?」
/111ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加