14人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
駅からのメインストリートを抜け、横道を一本入り少し歩いただけで、あたりの建物の高さが低くなる。
シャッターの下りた煙草屋、派手派手な看板を掲げたクリーニング屋に営業しているのかしていないのか判然としない定食屋、目的なくぶらぶら歩くには向いていない場所だ。
そんな中を大木はレジ袋を片手に歩いていた。
レジ袋の中にはゴミ袋とインスタントコーヒー、麦茶パックのお徳用大袋が入っていた。
視界に気になるものが映った気がして、大木は足を止めた。
小学生?
どこの制服だろう。
白とグレーを基調とした上品な制服は、この界隈ではお目にかかったことがない。
並んで立っている二人の背の高さは同じくらい、ひとりは男の子でもう一人は髪の長い女の子だ。
兄妹だろうか。
最初のコメントを投稿しよう!