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「お母さんは仕事で家にほとんどいないから、シェリーをひとりにしたくなかったんだ」
そう言いながらがりがりと餌を食べるシェリーに手を伸ばし「ウウ」とすごまれびくついた望を見て由目木は驚いた。
「こんなに小さな犬でも、唸ったりするのね」
「そりゃ、犬だっていつもゴキゲンってわけにはいかないよ」
望はバツが悪そうに手をひっこめた。
「さて」
大木は小皿に水をついでシェリーの前に置いた。
「どうするんですか? このチラシを撒くだけで、すべてが解決するんですかね? 僕達、家出の片棒を担いだ誘拐犯になっていたりしませんか?」
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