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家出。
それはつまり「この家が嫌だ」というサインであり、母親である自分を否定している、ということだ。
否定……つまり「お母さんキライ」ということか。
思いついたその言葉は思ったよりも深く濱田めぐみの中に刺さった。
なぜみんな私のことばかり責めるの。
目に前に並べられているメイク道具を手で払い、床にぶちまけてしまいたくなる。
かつて一緒にいたいと思い結婚した男でさえ、今はもう味方ではない。
それでも結局、知らせてしまったのは一晩たっても望がいなくなったという事実がどんどんのしかかって来て押しつぶされそうになり、どうしたらいいのかわからなくなったからだった。
身内の話は、身内にしかできない。
でも、失敗だったわ。
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