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「そりゃ、金だろう」
「それなら犯人から連絡があるはずだわ」
「じゃあ、金じゃないのかもな。身代金が目的じゃなかったら、連絡なんてよこさないだろう」
身代金が目的ではない、の意味することを考えて濱田めぐみは小さな悲鳴をあげた。
「よくそんな酷いことが言えるわね!自分の子なのに!」
「自分の子だから心配しているんじゃないか。よく呑気に仕事なんかしていられるな」
「呑気ですって? 私がどんな気持ちでいるかあなたにはわからないの?」
「じゃあ、仮に家出としてだな」
「もういいわ。あなたに相談するなんてどうかしていたわ」
「あの子が家出をする心当たりがあるのか?」
「シェリーもいないのよ」
「シェリー?」
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