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明るい日差しの下、子供の真っ黒な髪は光を反射しつやつや光る。
「子供の髪は、きれいだなあ」
ぼんやりそんなことを思ったのは、最近、髪が上手くまとまらなくなってきたせいだ。
抜け毛も気になる。
たまに白髪を発見してはぎょっとする。
まだ三十だ。
いや、もう三十か。
苦笑ついでに、買い忘れた品を思い出す。
「しまった」
十月だというのに日差しは強い。
忘れた自分を忌々しく思いながら、大木は先ほど出てきたばかりのスーパーマーケットへと戻り始めた。
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