4.魔女の素顔

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4.魔女の素顔

   かつて大人は子供だった。  だから子供の気持ちがわからないとか苦手などということはありえない、と「子供が苦手だ」という大人を見るたびに思っていたのに、二十歳をすぎたた頃にはすっかり子供が苦手になっていた。  まさか自分が子供が苦手というような大人になったなんて、小学生の頃の自分は想像もしていないだろうと大木は思う。 「そもそも、なんであの子は犬を連れて家出をしてきたんです?」  事務所の隅にあるキッチンで、大木と由目木はソファーでシェリーと遊んでいる望をちらちら見ながら話していた。 「聞いても言わないんだよね」 「言わないんだよね、じゃなくてちゃんと聞いてくださいよ」 「聞いたよ、聞いたけど口を一文字(いちもんじ)にして絶対に言おうとしないんだから」
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