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「ねえ、シェリーにえさをあげたいんだけど」
望の声に二人はびくりと振り返る。
「ああ、そうね。あと、水も要るわね」
慌てて食器とミネラルウォーターのボトルを渡す。
「もしかして、お散歩もいるんじゃないんですか?」
「お散歩」
「あ!やばっ」
悲鳴のような望の声に振り返ったふたりの目に映ったのは、ソファーの脚めがけて片足をあげているシェリーの姿だった。
「シェリー!」
「おまえ……雄だったのか!」
「そういうことじゃない! ああ、もう!」
由目木は甲高い声をあげて大木の背中をバシバシ手で打った。
「なんとかして! ねえ! 早く!」
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