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「……無茶苦茶だよな」
大木は空の青さに目を細めながらつぶやいた。
「何とかしろって言われる時って、たいてい何ともしようがない時なんだよな」
「……ごめんなさい。僕、犬のおトイレのことまで考えてなかった」
「ペット用品も置いているなんて最近のコンビには優秀だ」
気にするな、という思いを込めて大木は望の小さな背中を叩く。
「さて、どうしようかな」
シェリーの粗相の後始末を終えると「二人でお昼に行ってらっしゃい、あたしはやることがあるから」と思わせぶりなウィンクをされ、事務所を追い出された。
由目木の魂胆はわかっている。
男同士、腹を割って話して来い! だと?
男同士もクソもあるか。
相手は子供だぞ?
うんざりした気持ちで大木は、望を連れてどんな店に行ったものかと途方に暮れる。
「何が食べたい?」
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