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「何でもいい」
「ファーストフードやファミレスの店がこの近くにはないんだ。駅向こうまで行けば何かあると思うけど」
「あ」
不意に望が大木の後ろに隠れるようにした。
「どうした?」
「あの人」
あの人?
大木は望の視線の先を追った。
体をねじるようにして通りの反対側を見る。
横断歩道の向こう側で信号待ちをしているぱりっとしたスーツを着てサングラスをかけた男性を望は気にしているようだった。
「もしかしてお父さんか?」
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