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だが、子供でその発想は寂しくはないか?
「そういえば、昨日の夕飯は何を食べたんだ?」
由目木のことだ。
どうせカップラーメンか菓子パンで済ませたのだろうと思いきや、意外な答えが返ってきた。
「ごはんと、お味噌汁と、生姜焼き。あと、キャベツ。あんなふっといキャベツの千切り、初めて食べたよ」
「え、由目木さんが自分で作ったのか?」
大木は驚いた。
あの魔女のような爪ではたして料理ができるのだろうか?
「そうだよ。なに驚いてるの?」
「いや。さぞかし大雑把な料理だったんだろうな」
「味付けは悪くなかったけど」
「そうか」
由目木の意外な一面を知った気がして戸惑う。
「あのひとって大人げないよね。文句あるなら自分で作れって逆ギレするし、ぼくより先にぐうぐう寝ちゃうしさ。あ、でもさくらさんて化粧していない方が、かわいいよね」
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