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かわいい?
恐いの間違いじゃないのか?
いや、化粧をしていてもなかなかの迫力だ。
大きな目はさらに大きく、強気な眉は更にくっきりカーブを描き、小さいとはいえない口ははっきりくっきり、フルメイクの由目木を見るたびに大木は外国の映画に登場する魔女を思い出してしまうのだ。
もしろん、そんなことは口が裂けても由目木には言えないが。
「化粧しない方がいいって言ったら、素顔なんてそうそう人に見せるもんじゃないのよ、って言ったんだ。……そっか、大木さんには見せていないんだね」
「別に見たくないが」
「本当に?」
「ああ」
大木は顔をしかめた。
「急に、なんだよ」
「もしかして、妬いているのかなあ、と思って」
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