4.魔女の素顔

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「やっぱり、食べたいものをたべることにする」 「うん。その方がいい」  妙に大人びていたり、急に子供になったり、忙しいやつだ。 「すみません」  大木は手をあげて注文をした。 「オムライス定食と野菜炒め定食、お願いします」 「大木さん、野菜炒めが好きなの?」 「う、うーん。どうかな」 「食べたいものを食べた方がいいんじゃない?」  何だよ、急に。  さっきと立場が逆じゃないか。  食べたいもの、か。  確かに野菜炒めがとても食べたいわけじゃない。だが、なるべく野菜を多く採れるものをと思ってしまうのは独り者の(さが)だろうか。 「口より体が食べたがっているからしょうがない」 「口と体って別物なの?」 「あのなあ。そんなことどうでもいいだろ」  面倒臭くなって、大木は本題に入ることにする。 「マキタって何者?」
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