5.本物は誰だ

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 黙々(もくもく)と食べ始めた大木に(なら)って、望も渋々(しぶしぶ)渋々スプーンを手に取った。  野菜のシャキシャキ感を楽しみながら、大木はご飯をかきこんだ。  ─この食堂、初めて来たが「アタリ」だな。  もりもり食べながら、横目で望を見ると、気が進まなそうにスプーンでオムライスをほじくるように食べていた。  ひとくち、もうひと口。  食べるスピードが少しずつ上がり、小さくしか開かなかった口がだんだん大きく開き、唐揚げにも手をのばした。  ─そうこなくちゃ。  しょんぼりした子供の相手ほど、気が滅入るものはない。  空になった皿を前に、水を飲み干し一息ついた。  テレビ画面はとっくに「今週のお天気」コーナーに変わっている。 「それで」  大木は望の方に向き直った。 「お前は、誰なんだ?」     
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