6.お役に立てれば光栄です

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 翼は嫌そうにシェリーを床におろした。  ててててて、小刻(こきざ)みに動く足を見ながら「あんなに小さな足で、よく体を支えられるわね。おお、恐い」と由目木は自分の両腕をさすった。 「そういえば、シェリーはマキタさんとやらに見つからなかったのか?」 「飼っているんですかって聞かれたから、チワワってかわいいですよねー、二年前にペットショップで一目ぼれしちゃったんですう、って言ったら信じたみたいだけど? ま、チワワ飼っている人って多いから」 「そんなもんなんですかね?」  大木は首をひねった。 「犬も込みで探しているのなら、気がつきそうなものですけど」 「込み、なのかしらね? マキタは中村望を探してくれというだけで、犬は探してくれとは言わなかったわよ」
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