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「話すよ」  観念したように望の丸い顔が真面目になった。 「話したら協力してくれるの? マキタさんの依頼はどうするの?」 「どうするも何も、中村望の親が、ウチに望ちゃんを探す依頼をするというのがキミの筋書きだったじゃないの」 「じゃあ、予定通りですね」 「予定通りじゃないよ」  翼は膨れた。 「親が、依頼しなきゃ」 「親が依頼したよ。マキタはそれを伝えに来ただけ」 「それじゃだめなんだよ」  翼は泣きそうな声になって言う。 「親が出て来なきゃ、意味ないよ」
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