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「えーと、ちょっと待ってね。その入れ代わりのことなんだけど。つまり、翼は劇団の合宿に行って、望ちゃんは家出中。でも実際は望ちゃんが劇団の合宿に行って、翼が家出中。ってことで合ってる?」
「合ってるよ」
「合ってます」
二人が口をそろえてうんざりした顔になるのを手を広げて止めた。
「えーと、えーと、どういうことかな? それ、どういう意味があるの?」
「だ・か・ら」
諭す口調で大木が説明する。
「翼の親は、翼がいなくても心配はしない。なぜなら劇団の合宿に行っていると思っているからだ。望の親は望が突然いなくなったと思っている。翼の代わりに合宿に参加しているなんて知らないからね。つまり、中村望はとても安全に家出中、ってことだ」
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