6.お役に立てれば光栄です

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「どうしてそんな面倒臭いことを」 「リコンはメーワクだからさ」  翼は口を尖らせた。 「こっちは完全なとばっちりなわけ。相談なしで、そりゃ、全然わからなかったとは言わないけど、でも、いきなり言われてもね。巻き込みたくなかったとか言うけどそんなのウソだね。だって結局は巻き込まれちゃうんだから」 「厳しいことを言っちゃうけど、家出をしたところで何の解決にもならないよ? 覆水盆に返らず、割れた茶碗は元に戻らず、一度できたしみは消えない、ってご存知?」 「修復法がないわけじゃないと思うが」 「接着剤でくっつけても、割れたことに変わりはないし、高価な美白化粧品をつかってもなかなかは消えないものなのよ」 「その例えは不適切です。人の心は変化する。けんかをしても仲直りできる。一度壊れたら終わり、ではない」 「さくらさんのとリコンを一緒にしないでくれる?」  二人から反論を喰らって、由目木は両手をあげ、「降参」のポーズをした。 「ハイハイ、わかりました。あたしが悪うございましたよ」
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