6.お役に立てれば光栄です

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「まあ、お茶でも飲もう」  大木は事務所の隅にある小さなキッチンに引っ込むと、お盆にマグカップを三つ()せて戻ってきた。 「これ、何?」 「香ばしいでしょう? ホット麦茶」 「麦茶って普通、冷たくして飲むものじゃないの?」 「そんなこと、誰が決めたの? あたしは一年じゅう、あったかい麦茶を飲んでいるわ。ホットの方が断然おいしい」 「まあ、好みだろ。おかげでこの事務所には一年中麦茶があるわけだ。あ、冷たい方が良ければ氷をいれるけど」 「ううん」  翼はマグカップを抱えた。 「これはこれでおいしいよ」    
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