7.所詮周りは敵だらけ

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 ちりちり、と電話が鳴った。 「はい。あ、マキタ?」 「望さんが見つかったそうです。例の探偵事務所から連絡が」  ああ、声にならない声が胸の奥から出て、ベッドに崩れ落ちそうになる。 「よかった」  息を吐いたとたん、涙が(あふ)れ出し濱田めぐみはそんな自分に驚く。  こんなシーンをかつて演じたことがあったような、なかったような。 「すぐに、迎えに行くわ。車を」  涙を手のひらでぬぐい、めぐみは立ち上がった。 「いえ、それが」  電話の向こうでマキタが言い澱む。 「午後三時に、中村様といっしょに迎えに来てほしい、とのことです」 「中村と?」  どちらにしても、中村には「見つかった」という報告を入れなくてはならないし、テレビで報道された以上、揃って記者会見の一つもしなくてはならないだろう。  
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