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8.子供の願い
「ようこそいらっしゃいました」
にこやかに迎える由目木の今日の服装は、珍しくパンツスーツである。
ベージュに近いピンクの口紅にきっちりなでつけた髪は、すっきりと落ち着いている。
「今日はどうしたんですか。かなりまともに見えますよ」
大木の言葉に、親指を立ててにっかりと笑う。
「やり手に見えるかしらん?」
「まあそれなりに」
「それなりって何よ」
「予想外の迎え入れ方をされたので、ちょっと気が動転しています」
「そこまで言う?」
「でも、違う人みたいだよ」
シェリーを抱いた翼がぼそりと言う。
「そんなに?」
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