14人が本棚に入れています
本棚に追加
/111ページ
黙って頷く二人に今度は由目木が「わーお、そんな風に言われるとなんだか緊張してきた」と両手を頬に当てて部屋の中をうろうろし始めた。
「さくらさんでも緊張するんだ」
「でもって何よ!」
いきりたつ由目木に「へえ。緊張することもあるんだねえ」と大木も感心したようにつぶやき時計を見上げた。
「三時五分前。そろそろ来るんじゃない?」
「ようこそいらっしゃいました」
にこやかに迎える由目木。
デジャヴだ、と後ろにいる大木は思う。
悪ふざけしていたのではなく予行練習をしていたのか。
最初のコメントを投稿しよう!