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由目木は自分の着ている服を見下ろした。
南の海を思わせる鮮やかな色彩をちりばめたワンピース。
腕と裾はたっぷりのドレープで動くたびにふわふわ揺れる。
「派手……かしら?」
男の子は真面目な目をして再び頷く。
「知らなかった。あたしって派手なのね?」
男の子は困ったように丸い目をぱちぱちさせている。
「ねえ、占い師ってど派手なの?」
男の子は首を傾げた。
「わかんないけど、そんな感じがしたから」
ますます困った目になって由目木を見上げた。
「あのう……探偵さんは?」
「あたし」
由目木が人差し指で自分の鼻をつつくと、男の子はあきらかにがっかりした顔をした。
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