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「それは望と私たちで話すべきことだ」
「話なんて聞いてくれなかった」
「子供にはわからないことがいろいろあるのよ」
たしなめるように、やんわりとめぐみは言った。
「大人にもわからないことはいろいろあるよ」
翼は言い返す。
「子供だから、言いなりになるしかない。子供だから、大人に都合でふり回されるしかない。そのくせ子供には関係ない話だなんて言われて、何なんだよ、大ありじゃん。一番とばっちりをくらっているんだからね。そこんとこちゃんと考えてよ」
一気にまくしたてた後に、力なく付け加える。
「だから望ちゃんは、こんなことまでしなくちゃならなかったんだ」
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