8.子供の願い

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「こんなこと……」  めぐみが呆けたようにつぶやく。 「家出して、心配をかけて、結局どうしたいの? わからないわ。全然わからない」 「……わかるためにはちゃんと話す必要があるんじゃないんですか」  由目木は翼の頭を撫でた。 「ねえ、そうでしょう?」  こっくりと翼が頷いた。  とたんに由目木は大きな声を張り上げた。 「だそうですよ! カモーン!」  しんみりした雰囲気をぶち壊すような声に全員ぎょっとしながら、由目木の視線の先を見た。  それは、由目木探偵事務所のドアだった。    
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