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「どうぞお入りください」
ドアが申し訳なさそうにギイイと開いた。
薄緑色のドアの間から、バツの悪そうな顔をした男女が女の子を連れて現れた。
「望!」
中村とめぐみが同時に叫んだ。
「本物の望だわ!」
叫んで駆け寄ると、ひったくるように望を抱き寄せた。
「どこも怪我はない? 大丈夫?」
「……で、こちらは」
中村が首を傾げた。
「もしかして、誘拐犯……?」
「違います」
由目木はたしなめるように言った。
「望さんは自分の意志で家出をしたんですよ」
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