9.ハッピーエンドは作れない

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「らしくいる、っていうのも時には酷だよね」  床をみつめながら大木が頷く。 「わかります。僕もそういう気分です。でも、由目木さん」 「何?」 「僕はあなたより二つも年下でやとわれの身ですけど、もう少し頼ってくれてもいいと思うんですけど」  かち、時計の針が動く音がする。 「じゃあ」  由目木が一歩横に体をずらす。 「そのひ弱な肩をちょっと貸してよ」  ひ弱は余計です、てっきりそう言うかと思ったのに大木は黙って由目木の頭を手のひらで包み込むと、自分の肩へと引き寄せた。
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