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「損したも何も、共犯者がいようといまいと解決したんだからそこは問題じゃない。問題じゃないけど、ちょっと気になる。それだけ」
由目木がうーんと伸びをする。
「さて。今回は結構いいお金になったから焼肉にでも行っちゃう?」
「……いくら儲かったんですか?」
「そりゃあなた、相手は濱田めぐみですよ? ふふふ」
「だから、いくら儲かったんです?」
「教えなーい」
「どうしてですか。僕に臨時ボーナスは出ないんですか?」
「そんなものはないのです」
「ええ? じゃあ焼肉を死ぬほど食ってやる」
「あ、ちょっと待って。こんな格好で行けないわ」
由目木はスーツの上着の裾を引っ張った。
「いいじゃないですか、そのままで。どっちかっていうと普通の格好ですよ」
「自分じゃないみたいで落ちつかないわ」
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