10.共犯者は別にいる

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「損したも何も、共犯者がいようといまいと解決したんだからそこは問題じゃない。問題じゃないけど、ちょっと気になる。それだけ」  由目木がうーんと伸びをする。 「さて。今回は結構いいお金になったから焼肉にでも行っちゃう?」 「……いくら儲かったんですか?」 「そりゃあなた、相手は濱田めぐみですよ? ふふふ」 「だから、いくら儲かったんです?」 「教えなーい」 「どうしてですか。僕に臨時ボーナスは出ないんですか?」 「そんなものはないのです」 「ええ? じゃあ焼肉を死ぬほど食ってやる」 「あ、ちょっと待って。こんな格好で行けないわ」  由目木はスーツの上着の裾を引っ張った。 「いいじゃないですか、そのままで。どっちかっていうと普通の格好ですよ」 「自分じゃないみたいで落ちつかないわ」
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