家に帰ったら見知らぬ美形がいたんですが

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「……それは、つまり、私の魂の以前の名前が『アーシャ』だったという意味ですか」  薄々、察してはいた。魂をその目にとらえられる『上位者』が、人違いをした様子もなく、セーラを『アーシャ』と呼ぶのだ。そして『上位者』は人間に比して長命。そこから導き出されるのは、セーラが『セーラ』として生を受ける前の魂が、『アーシャ』という名前で呼ばれていたのではないかという推測だ。 「……そうか。人間は魂に記憶を引き継がないのだったな」  得心したように、『上位者』は――フィデルは頷く素振りをした。 「お前はアーシャだ。私と出会い、愛し合い、共に生き、そして先立ってしまった――アーシャの魂を求めて俺はここに来た。約束を果たすために」 (そういえば、最初に『約束を果たそう』って……) 「その、約束というのは……?」 「アーシャは人間の中でも短命だった。だから俺は、アーシャを俺の力で生きさせようとした。だが、アーシャはそれを望まなかった」 (話し始めてくれるのはいいんだけど、この体勢どうにかならないかな……)
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